今日はTEACの3ヘッドオートリバースカセットデッキ、R-919Xの修理を行いました。
ひととおり整備を行って、メカは正常に動作するようになりましたが、
問題はディスプレイが点灯しないということです。電源ラインの不具合が疑わしいので、回路図を見ながら点検を進めていくと、ディスプレイ基板上の20Vラインに問題があることがわかりました。写真は撮り忘れましたが、FL管とディスプレイ基板との間にあるトランジスタが怪しいので、フロントパネルを取り外し、あれこれとしているうちに、いつの間にかディスプレイが点灯するようになっていました。
なぜ何もしないのに回復したのか原因を調べると、怪しいと思っていたトランジスタの半田部に接触不良が起きていました。20Vラインということで発熱が原因と思われます。念のためバイパスラインを設けました。
これで修理完了と思ったら、今度は別な不具合に遭遇しました。再生は正常に動作するものの、RCHの録音ができないことが判明しました。
ここからが大変です。写真に写っているのが、REC-AMPですが、ひとつずつパーツの点検を行います。半日ほど経って、パーツ自体には故障は無いものの、抵抗値が異常値を示す箇所があることがわかりました。しかし、いくら探してもその理由がわかりません。
そこで、点検範囲をもう少し広げると、異常な抵抗値の原因として、フロントパネルのバイアス・レベル調整ラインの可能性が浮上しました。しかし、回路図を見ると、そこには故障しそうなパーツはありません。
それでも一応、点検を行うことにしました。指で触れているのは、メイン基板と、フロントパネル上のバイアス・レベル調整基板を接続するコネクタです。よくよく観察すると、コネクタが一段ずれて刺さっていました。通常、コネクタはそういったことの無いような構造になっているのですが、ここは違いました。先ほどのフロントパネルの脱着の際に、誤って組み付けてしまったようです。
あっさりと治りました。自らの凡ミスで無駄な時間を費やしてしまいましたが、良い経験にはなりました。