EXCELAの人気機種、XK-009の修理依頼をいただきました。
3年ほど前に修理に出して、昨年(ということは1年以上掛かったということでしょうか?)ようやく戻ってきたものの、最近になってカセットが取り出せなくなったということです。オーナー様が苦労してようやくカセットを取り出したものの、
今度は、カセットをセットするとリッドが閉まらなくなったということです。
ハウジング内を観察します。原因は、ヘッドとピンチローラーが下がり切っていないことです。この機種は、キャプスタンの回転を利用してメカを動かしますので、ベルトスリップが原因と思われます。
カバーを開けます。
予想通り、キャプスタンモーターのプーリーの部分でベルトがスリップしています。
ベルトのテンションを確認したところ、かなり緩めのベルトが取り付けられていました。前述のとおり、この機種のようにキャプスタンの回転を利用してメカを動かすタイプは、少しきつめのベルトを使用しなければなりません。
メカを取り出して、カセットホルダーを切り離します。
リールモーターを固定しているビス2本を緩めます。
メカを前方に倒して、背面のプレートを取り外します。
キャプスタンベルトは2本です。スリップしていたのは下の大きいサイズの方です。
アイドラーゴムを交換するために分解を進めます。
リールモーターを外すと、アイドラーが現れます。
ゴムリングを交換します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。
再生時にリールを回転させるためのベルトを交換します。
続いて再生用のアイドラーゴムを交換します。
モーターを取り外します。
先ほどと同様、ゴムリングを交換します。
メカを本体に戻す前に動作確認を行います。
メカを本体に組み付けます。AMTSの動作も含めテストを行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
機器が十分温まった状態で速度調整を行います。
ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。