愛機TC-R6で、お気に入りの音楽を楽しもうとしたところ、
再生ボタンを押してもリールが回転しません。数日前までは正常だったのですが・・・
早送り巻き戻しは正常です。原因は、キャプスタンが回転していないことでしたので、「モーターの故障」「ベルト切れ」といったことが考えられますが、果たして何が起こったのでしょうか?
ラックから機器を降ろして点検を行います。中央がキャプスタンモーターのプーリーです。ベルトは新品購入後40年以上交換していませんが健在です。しかし、モーターが回転しません。
コントロール基板を点検します。
モーターのケーブルの根本あたりを押し付けると、モーターが回転しましたので、接触不良が起きています。基板の半田付け部分の不良と思い、再半田を行いましたが、一向に改善は見られません。
ここからが泥沼状態です。間違いなく接触不良が原因ですが、不具合箇所がわからず、半日ほど迷走しました。しかし、諦めずに点検を続け、ようやく異常個所を見つけることができました。
これは修理後の写真ですが、赤線で囲ったところに注目してください。トランジスタが2ケあります。
これは正常な側のトランジスタです。3つの端子のうちひとつは、赤丸で囲ったプラスチックのビスで留められています。
しかし、もう片側のトランジスタは、経年劣化によりビスが折れて端子が浮いていました。そのため、接触不良となっていました。
プラスチックのビスは持ち合わせていませんので、仮処置として半田付けしました。このトランジスタは、キャプスタンモーターの電源回路のものです。
時間が掛かりましたが、ようやく正常に戻りました。
後日、購入した新しいビスに交換し、修理完了です。古い機器は想定外の故障が発生しますので、良い勉強になりました。