SONY製オートリバースカセットデッキ、TC-RX715です。
半年ほど前までは使用可能だったものの、現在は走行不良ということです。
梱包に使用されていた養生テープが直接本体に貼られていたため、塗装が剥がれてしまいました。
トレイ開閉しますが、走行しません。
カバーを開けてメカを取り出します。
分解を進めます。ピンチローラーの状態が良くありません。
アームごと脱着して交換します。右側は既にコアが抜けていました。
モータープレートを取り外します。
キャプスタンベルトが加水分解で伸びています。そのためテープ走行できなかったようです。
フライホイールを取り外しましたが、ひび割れが発生しています。SONYのこのタイプは、製造ロットにより同じような状況が発生しますが、最後はキャプスタンの取り付け部がグラグラになり使用不可となります。
サイズの小さいもう片方は問題ありません。
スペアパーツはありますので交換します。
モーターユニットを取り外します。
ここのベルト(左は新品)も加水分解で伸びています。また、油分のようなものが浮き出て光っています。
ベルトが掛かるプーリーを脱脂し、新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を清掃し、スライド接点専用グリスを処置します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
新しいベルトを仮掛けし、モーターパネルを取り付け後にモータープーリーに掛け直します。
本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し、速度調整を行います。
ヘッドアジマスを調整します。フォワードとリバースの両方で行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。