今日はジャンク機として入手したDTC-1000ESを整備しました。
メカは比較的最近にメンテナンスがされたようで、古いグリスも除去され固着箇所はありませんでした。ところが、動作テストを行ったところ、
テープをローディングすると、ピンチローラーがキャプスタンの1mmほど手前で停止(スタンバイ状態)するまでは正常の動作なのですが、この後に再生や早送りなどのボタンを押すと、ヘッドは一度回転しだすものの、ピンチローラーがキャプスタンに密着せずに「CAUTION」となりテープがカセットに収納されてしまいます。
さて、どこの故障でしょうか?メカなのか基板なのか?ということで、手持ちの1000ESとまずはメカを換装してみました。結果、メカ側に故障があることがわかりました。
検出スイッチやセンサーのチェック、リールモーター、キャプスタンモーター、MDボード、ローターリーエンコーダーなどの交換を行いましたが一向に症状は改善されません。
かれこれ半日が経過し、心が折れそうになっていましたが、メカをぼんやりと見ていると、以前も同じような動作を見たことを思い出しました。
それは、メカを組み上げて試運転したときに、ヘッドのモーター用のフラットケーブルを接続し忘れたときのことです。その時はヘッドは回転しませんでしたが、同じように一旦テープはローディングするものの、直前で「CAUTION」となりました。
今回は、ヘッドは回転していたので、「ヘッドの故障は無い」と思い込んでいました。早速ヘッドを他の物と交換すると、やはり正常に動作するようになりました。ヘッドの故障です。ヘッドの故障ではほぼ太刀打ちができません。これで一巻の終わりと思いましたが、念のため点検を行います。
治せるところと言えばこのフラットケーブルぐらいです。目視では断線は確認できませんでしたが、テスターで点検し一番右側が絶縁していることを見つけました。これなら修理可能です。
バイパス処置を行います。
無事治りました。さすがに今回は疲れました。メカの動作不良の原因がヘッドとは・・・・