SONY製のカセットデッキのESシリーズでESG以降は、メカも回路も非常に似ていてウイークポイントもほぼ同じです。
これらデッキで不具合が発生した場合、そのほとんどはベルトや接点、センサーが原因ですが、555ESG、333ESGについては、他のシリーズには無いウイークポイントがあります。
それは、以前もこのブログで記事にしましたが、「オーディオ回路の電解コンデンサー液漏れ」です。
ESGシリーズ(222ESGは除く)のオーディオ回路には、当時高級品であったELNA製のものが使用されていましたが、製造上の問題があったのか、経年により液漏れが発生します。
だからといって、ただちに使用上の問題が発生するということはありませんが、音質には徐々に影響を及ぼしていると考えられます。
一方、同じコンデンサーを使用しているものでも、まったく液漏れが見られない機体も見受けられます。おそらく製造ロットの関係でしょう。
そこで、555ESGと333ESGをお持ちの方で、自分の愛機の状態が気になるという方にDIYで簡単にできる点検方法をお知らせしたいと思います。まずはサイドウッドを取り外してカバーを開けてください。
※コンセントは必ず抜いてから作業してください。
向かって右側の基板が再生基板です。奥の方に紫色のパーツが見えますね。
端子の部分を観察してみてください。写真のように端子が汚れていませんか?
続いてデッキ裏返しにして底板を取り外してください。
さっきの再生基板の下にあるのが録音基板です。ひっくり返しましたので向かって左側になります。
左の写真の中央左側の部分を観察してください。写真のように基板が汚れていたら液漏れしています。
ELNA製のコンデンサーは20数個使用されていますが、100μFと1μFが特に液漏れが発生しやすい傾向にあります。
ESG(222以外)をお持ちで上記作業に自信のある方は、ぜひ一度点検してみてください。万一、上の写真のようでしたら当店までご連絡ください。