「修理(整備)」と言っても、その内容と費用はピンからキリまでありますが、敢えていくつかに分類しなければならないとすると、大きく3つに分けられると思います。
まず一つ目①は、「故障個所のみの修理」、いわゆる事後保全です。
これは、故障の原因となった箇所のみの修理になりますが、わかりやすい事例を挙げると、「劣化したゴムベルトの交換」です。これでとりあえず故障前の状態に戻り動作することでしょう。
ただし、ほかの箇所も経年劣化が進行していますので、修理後まもなく不具合が発生する可能性がありますし、その場合はかえって修理費用が嵩みます。一方、費用が安価というメリットを有しています。
二つ目②は、「故障個所の修理」+「故障しやすい箇所の修理」です。デッキに限らず、故障が起きる箇所というのは、機種ごとに異なりますが90%以上同じ場所です。
故障が起きた部分を修理するついでに、予防保全策としてそのウィークポイントにも併せて対策を行うことにより、費用の節減と長寿命化を図ります。
そして三つ目③は、「故障個所の修理」+「故障しやすい箇所の修理」+「比較的劣化しやすいパーツの交換」で、オーバーホールに近い修理となります。メリットは前者よりも長寿命化が図れるということですが、デメリットは費用が嵩む割に効果が極めて少ないこと、つまりコストパフォーマンスが悪いことです。なお、劣化しやすいパーツというのは、スィッチ、VOL、電解コンデンサーが主となりますが、例えば電解コンデンサーは意外と寿命が長いのでわざわざ新品に交換によるメリットはかなり少ないものです。
当店では、お客様からの要望が無い限り、基本的には最もコストパフォーマンスの良好な②をお勧めしています。費用は機種によって異なりますが、15000円~30000円と設定していますので、修理をお考えの方はご参考としてください。
どうしても徹底的に手を入れたいという場合は無理には止めませんが、不要なメンテナンスに高いお金を払う必要はありませんよ!