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オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

GX-Z7000

A&D GX-Z7000

投稿日:2017年4月24日 更新日:

本日の修理は、A&DのGX-Z7000です。

AKAIがダイヤトーンと合併し、GX-73がリニューアル発売されたのがGX-Z7000です。

中身は99%同じですが、唯一違う点は、アウトプットがFIXになっているところと一部ICに銅メッキのシールドが施されているところです。

機器の状態ですが、定番のトレイ開閉の不具合が発生しています。電源を入れると開きっぱなしになります。

早速中身を見てみましょう。

はじめに背面と下面のネジ計6本を外し、カバーを取り外します。

次にフロントパネルを外します。前側のインシュレーター2個とフロントパネルを固定している上下部のネジを外します。

こんな状態になりました。

メカに接続されているコネクタを外していきますが、メカを取り出すためには、前面と上部基盤を外さなければなりません。

そうしてヘッドのケーブルを固定している結束バンドを切断し、ようやくメカを取り出しました。

右側パネルを固定しているネジ2本を緩め、カセットホルダーを外します。

ホルダーを横から見ました。カセットハーフを押さえつけるプラスチック製のダンパーが付いていますが、長年押し付けられてバネが弱くなっていますので、修正をしなければカセットテープが安定しません。

ドライヤーで加熱しながら形を修正します。

3種の神器です。外側からキャプスタンベルト、モードベルト、アイドラーです。

これが無いと修理できません。※AUDIOLIFEネットショップでセット販売中です。

ダブルキャプスタンと3ヘッドです。AKAIのGXヘッドは優れもので、摩耗はほとんどありません。

左右ピンチローラが軽く上下に動くことを確認しますが、ほとんどがグリスの固着により動作不良となっています。

ガチガチに固まっている場合は、ハンダゴテで温めながら慎重にばらしていきます。決して力任せで引っ張ってはいけません。軸が歪み再起不能となりますので。

続いて背面のパネルを外してキャプスタンを取り外します。写真のようにベルトが接触していた箇所に汚れがこびりついています。

丁寧に除去しピカピカにします。ワウフラッターの改善に多少は貢献したのではないでしょうか。

次はテープセレクターです。

ここもこのデッキの泣き所で、接点の接触不良が発生します。

取り外してサンドペーパーなどで接点を清掃します。

続いて巻き取りリールに移ります。

真ん中に見えるアイドラーゴムも交換が必要です。

元通りに組み立てて、調整に移ります。

まずはテープ速度です。大抵は1%前後遅くなっています。

315kHzのテストテープを使用していますので、この機体は約2%の狂いが生じています。

上部基盤のこの半固定抵抗で調整します。アナログ機器ですのでワウフラッターによりピッタリ合わせるのはちょっと難しいです。

続いてアジマスです。ここがきちんと合っていないと、音質、特に高域の特性に影響があります。

調整前です。左右バランスも少し狂っていますね。

調整後です。その他、録音レベルも点検調整し修理完了です。

明るくメリハリのある音質です。AKAI,A&Dのデッキの長所は、GXヘッドをはじめとするメカ部分の耐久性が高いところです。

ただし、使用しているうちに次第にところどころに微妙な狂いが生じますので、定期的に適切なメンテナンスを行わうことが必要です。

今回の修理は、ベルト類交換、メカ部の分解点検、総合調整で、費用は12,000円でした。

同型の機種をお持ちの方でメンテナンスや修理をご希望の方は、上部の「お問い合わせ」からご相談ください。

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