久しぶりに120分テープを購入しました。
90分までのテープなら買い溜めたストックもありますし、100均でも買えますが、120分となるとそうはいきません。
Amazonをはじめ通販サイトで探しましたが、意外と高価なんです。これが。今回の用途は、録音ではなく、テープ走行テストのためですから、とりあえず1本あれば足りるので、結局、オークションで送料込み約300円で購入しました。なんだかんだで落札から届くまで5日ほどかかりましたが、ようやく手に入れることができました。
前置きはこの辺で終わりにして、今回、当店からデッキを購入されたお客様から「テープが絡む」「片CHレベル低下」とのご連絡をいただきました。保証期間は過ぎていましたが、まだ1か月も経っていないので、送料だけオーナー様にご負担いただいて、無償点検修理を行わせていただくことになりました。
テープが絡むというのは、バックテンションやテープパスの不具合により発生することが多いのですが、何かトラブルが起きたのでしょうか?また、片CHのレベル低下が気になります。
ほどなくしてデッキが届き、状態を確認したところ、ヘッド、キャプスタンに茶色い汚れが多く付着していました。使用期間から考えると、普通ではありえないくらいの汚れで、アルコールと綿棒では取れません。
特殊なクリーナーでなんとか除去し、再生テストを行うと、レベルバランス不良は解消されました。ヘッドの汚れが原因だったようです。
オーナー様の話では、1980年代のミュージックテープを再生することが多く、また、120分テープも使用しているとのことでした。汚れは劣化したテープの磁性体だったようです。
次は「巻き込み」です。私が持っているテープを再生しましたがいくら待っても不具合は発生しません。これも古いテープや120分テープが原因だったのでしょうか?といっても、あいにく120分テープは持ち合わせていません。
120分以上のテープは、60分や90分などと比べてテープの厚さが薄いため、巻き込みなどのトラブルが発生しやすいと一般的に言われています。そこで、今回はそれを検証するために購入しました。
往復の録音が終了しましたが、不具合は起きません。やはり古いテープが今回のトラブルの原因だったようです。磁性体の劣化によって、テープと機器との摩擦の変化が起きてテープ走行が乱れたのではないかと推測されます。
私も30年以上経過したテープを所有していますが、これまで劣化ということは感じたことはありません。おそらく高温多湿の地域に比べ、私が住んでいる北海道は、メディアの保管に良好な環境なのだと思います。
皆さんも古いテープの保管や再生には十分注意してくださいね。