SONYのTC-K555ESXの修理依頼をいただきました。
久しぶりに使用したところ、突然テープ走行ができなくなったということです。
再生ボタンを押すと、ソレノイドが「ガチャン」と動作しますが、リールは回転しません。キャプスタンは回転しています。
故障した箇所を特定するため、リールモーターに掛かる電圧を測定します。すると、異常に低い値を示しました。回路の故障が確定となりましたので、早速回路図を見てみます。
右端にリールモーターがあって、それを辿っていくと、モーターの電圧を制御する回路があります。そこにR738という4.7Ωのヒューズ抵抗が挟まれています。これが最も怪しいと思われます。
点検すると、やはり破断していました。
底板を取り外して、パーツを交換します。
無事復旧しました。
しかし、トレイがロケットオープン状態です。このままではバネを支える箇所が破損します。
メカを降ろします。
ハウジング内の化粧プレートを取り外します。プリズム上部に付着した埃は動作不良の原因となりますので除去します。
カセットホルダーを切り離し、ダンパーゴムを交換します。
左右リールの回転が重くなっていますので、脱着してグリスアップします。
ロケットオープンは解消されました。
ひととおり動作テストを行い完成です。