ナカミチの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、CR-30の修理依頼をいただきました。
2022/10月頃、完全動作品として購入されたとのことです。
再生を開始します。しかし、テープの終盤に差し掛かると、勝手にオートストップが働いて停止します。
カセットを取り出すと、テープが引き出されています。リールモーターが故障してリールが停止したときの状態です。
カバーを開けてメカを取り出します。
化粧パネルを取り外します。新しいバックテンションベルトが掛かっていますので、前オーナーが交換したと思われます。
カムモーターユニットを取りはずします。
汚れた接点を清掃します。
支障となるパーツを取り外してリールモーターを取り出します。
ブラシを傷めないよう慎重に分解します。
内部接点が酸化して汚れています。
磨きます。ブラシを痛めないよう治具を用いて組み立てます。
本体に取り付ける前に、ひと晩、慣らし運転を行います。
カムモーターも同様に空転させて、内部接点の接触改善を図ります。
カセット検出スイッチの接点を磨きます。
必要な箇所にグリスアップしながらメカを元通り組み立てて、本体に組み込み動作確認を行います。リールの回転が遅くなるテープ終盤を重点的に繰り返しテストします。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマスを調整します。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
ナカミチはテープポジションごとに録再バランス調整を行う必要があります。
rテープポジションの異なる複数のテープで録再状況を耳で確認し、修理完了です。