Technics製２ヘッドシングルキャプスタンカセットデッキ、RS-M255Xの修理依頼をいただきました。
当店のブログ記事に記載した機器と同じ症状とのことでご依頼をいただきました。
再生ボタンを押すと、モーター音は鳴りますが、動作しません。
その後は、一旦電源を切るまで一切無反応になります。
早送り巻き戻しは可能です。
久しぶりの機種ですので、リッドの取り外し方法を忘れてしまいました。幸いにも取説を同梱いただいていましたので、何とか外すことができました。親指で上部を押さえ、人差し指で下部を手前に引っ張ると外れます。
カバーとフロントパネルを取り外します。
メカを取り出しました。
背面の基板を取り外します。
キャプスタンモーターユニットを取り外し、再生用のリールベルトを交換します。
オートセレクターのスイッチユニットを取り外します。
リールモーターを取り外します。
ソレノイドを取り外します。
ギヤユニットを止めているワッシャーを外すと、ギヤを1cmほど上下することができますので、その隙間からベルトを抜き取ります。
新しいベルトと交換します。
オートセレクタ用のスイッチ接点を磨きます。
化粧パネルを取り外します。
再生用のアイドラーゴムを交換します。
早送り巻き戻し用のアイドラーゴムを交換します。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
あと一息というところで新たな問題があることが判明しました。テープポジション別の録再状況を確認したところ、メタルテープ使用での録音がNGです。再生は問題ありませんでしたので、バイアス等を切り替えるICが故障していると思われますが、部品は入手できません。そのことをオーナー様にお知らせしたところ、メタルテープでの録音機能は今後不要とのことでした。
以上、修理完了です。
