昨日DTC-2000ESからヘッドを移植したDTC-77ESですが、その後の動作テストで新たな不具合が発見されました。
再生は正常ですが、録音ができません。勝手な想像ですが、この機体のヘッドが人為的に破損されていたのは、録音ができなくなったので直接ヘッドを拭いたことが原因と思われます。
録音不良は、RFアンプ基板かデジタル基板のいずれかに不具合があるものと思われますが、RFアンプのコンデンサーは先ほど交換したばかりですので、デジタル基板の故障でしょうか?そうであれば修理はかなり厄介です。
まずは、原因を切り分けるために、自分が所有している77ESにメカごとスワップしてみました。結果としては、同じ症状です。ということは、RFアンプの故障です。
今回写真を取り忘れましたので別の機体の写真を使用していますが、77ESのRFアンプは2ケあって、ひとつは「録音・再生用」、もうひとつは「録音同時モニター用」です。今回は録音できませんので、前者が原因です。
このRFアンプには22μFの基板実装型電解コンデンサー2ケが使用されていて、いずれも液漏れが発生していました。
回路図中央上に「C967」という電解コンデンサーがそのうちの1つです。テスターで導通を点検すると、「C967」と「L952」間が絶縁していることがわかりました。ここは、ちょうど液漏れしている箇所にあるスルーホール(基板の表と裏を接続する箇所)で連絡されているのですが、このスルーホールが液漏れで腐食したのが原因のようです。
この修理は、絶縁している箇所をバイパスするだけで良いのですが、このRFアンプの基板は、チップ型のパーツで構成されているため、バイパスの配線を取り付ける箇所がほとんどありません。特にDTC-57ESなどのRFアンプはこの理由で修理不能となるケースが多く見られますが、今回は幸いにも比較的半田付けしやすい端子があり、そこにバイパス線をつないで復旧しました。
録音OKです。このデッキはこの後ディスプレイ基板のコンデンサーを交換し修理完了です。