SONYの4ヘッドDATデッキ、DTC-77ESの修理依頼をいただきました。
5~6年ぶりに使用したところ、動作不良になっていたということです。
トレイを開きテープをセットし、
再生ボタンを押すと一旦閉まりますが、すぐに勝手に開いてしまいます。
カバーを開けてメカを取り出します。
左側のテープガイドの位置に異状が見られます。過去に無理な力が加わったことが原因と思われますので、内部のギヤ欠けが心配です。
メカを裏返し、基板を取り外します。
構成ユニットを分解していきます。幸いにもギヤ欠けはありませんでした。
可動式テープガイドを駆動するリングギヤです。製造時に塗られたと思われるグリスが固まっています。
清掃し注油します。
リールユニットです。
分解し、ブレーキパッドの状態を点検します。問題ありません。
硬化変形したベルトを交換します。
カセットホルダーを取り外します。ピンチローラーがプラスチックのようにカチカチになっていましたので、ゴムを張り替えたものと交換します。
ヘッドの信号を処理するRFユニットです。4ヘッド機ですので、「録音・再生用」と「録再同時モニター用」の2ケ搭載されています。
カバーを取り外すと、内部から電解コンデンサーが転がり出てきました。液漏れにより端子が腐食したためです。4ケとも液漏れしていますのですべて交換します。
もう片方の2ケも交換します。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
フロントパネルを取り外します。
リモコン受光基板の電解コンデンサーが液漏れしていますので交換します。
ディスプレイ基板の液漏れコンデンサー4ケも交換します。
ひととおり動作状況を確認し、修理完了です。