カセットテープは、テープのグレード(Normal,Crom,Metal)や製造メーカーの違いで特性がかなり異なりますので、修理後の動作チェックを行う際には、数種類のテープを用いて行うことにしています。
以前の記事に書きましたが、GX機に発生する不具合として、「トレイが閉まり切らない」というものがあります。これは、カセットハーフを押さえつけるバネとオートセレクターの力が強すぎて正規の位置の手前にテープが引っかかるのが原因で、長期間不動のデッキに発生することが多い現象です。
そのため、最終チェックではカセットの出し入れを何回も繰り返し、必要に応じ調整を行うのですが、ここで注意すべきことがあります。
それは、引っかかりやすいテープとそうでないテープがあるということです。
その中でも、現在も発売されている「maxell UR」が引っかかりやすいテープの代表格です。
この製品以外は問題がないのに、これだけ不具合が生じるということがこれまでも何度もありました。
表面の摩擦係数の違いということも考えられますが、カセットハーフのサイズが許容範囲内の最大値あたりにあるのではないかと思われます
現在、新品で購入できるテープは、数えるくらいしかありませんので、このテープを使用される方も多いと思います。トレイの開閉チェックにこのテープは欠かせない存在です。