先日、オークションを閲覧していると、目に留まる出品物がありました。「Panasonic製CDプレイヤー SL-PS700」です。商品説明では「ディスクを読み込みませんでした」という、ジャンク出品です。価格は500円、終了時間も間近ですが入札者はいません。
この機種は、私も現在所有しメインとして使用しているCDプレイヤーです。もう30年前になりますが、発売当時に購入して20年ほど使用していましたが、次第にCDを読み込まなくなり、一旦は別のプレイヤーに買い替えました。
しかし、そのプレイヤーがあまりにも音が悪かったので、SL-PS700を自力で修理をして現在も愛機としてラックに収まっているのですが、ピックアップの寿命を考えると、スペア機がそろそろ必要かな?と思っていたところでした。
ライバルが現れないことを祈り、入札すると、そのまま落札となりました。落札額500円に送料が2000円強で約2600円の買い物です。
数日して商品が届きました。予想よりも外装は良好です。
トレイ開閉はなんとなく頼りない感じです。ディスクをセットしてみましたが、やはり読み込みません。
定価39800円の製品ですから中身はご覧のとおりですが、かの長岡鉄男氏を唸らせたという名機です。
私が修理したことがあるのは、もう10年前の話ですので、分解の手順に関してはまったく記憶がありません。そうは言ってられないので、カバーを開けて、分解を進めます。トレーのリッドはハメコミ式になっていますので、少し手前に引っ張りながら上側にスライドすると外れます。
フロントパネルを切り離すとメカを取り出すことができます。この辺りから記憶が次第に蘇ってきました。
まずは、トレイ開閉用のベルトを交換します。GX機のモードベルトがピッタリです。
メカを裏返します。基板を固定している3本のビスを緩め、モーターの半田を切り離します。
あとはフラットケーブルを切り離すと基板を取り出せます。この基板上のコンデンサーを交換します。
液漏れが見られます。
すべて小型の電解コンデンサーが用いられていますが、入手できないものは通常品を寝かせて(寝かせないと移動するピックアップに当たります)取り付けます。一部にバイポーラ(無極性)タイプ(緑色のものがそれです)も使用されているので注意が必要です。
元通りに組み立てます。
緊張の一瞬ですが、無事読み込みました。
CD-Rも普通に読み込むことができますので、ピックアップも元気なようです。大変良い買い物をしました。