AIWAの高級機XK-S9000の修理依頼をいただきました。この機種は一年に一台程度しか依頼がありませんが、同じ日に同じ地域に住んでいる同じ苗字の方からもう一台同時にご依頼をいただきました。ご親戚でしょうか？もう一台は後日ブログにアップしたいと思います。
洗練されたデザインです。
イジェクトが効きません。ただし、操作ボタンに反応してモーター音は聞こえます。
カバーを開けて、メカ上部のカバーを取り外します。
メカ底部の黄色いカムギヤを回すとトレイが開きますので、リッドを取り外すことができます。
この機種のヘッドのケーブルは基板に半田直付けですので、予め切り離しておきます。
メカを降ろしました。かなり複雑な構造です。
メカの背面です。
カセットホルダーを取り外す前に、基板と繋がっているセンサー類のケーブルを切り離します。
メカ側面のパーツを分解し。ホルダーを固定しているビスを緩めると、
ようやくカセットホルダーを取り外すことができます。
再生用のリールベルトが加水分解で溶け切れています。
AMTSユニットを切り離します。
AMTS用のベルトも加水分解で伸びて脱線しています。
AMTSユニットを分解し、カムを取り外してベルトを交換します。組み付け時はカムとレバーの位置関係に注意が必要です。
キャプスタンベルトもドロドロに溶けています。
フライホイールのバックプレートを取り外します。モータープーリーにも溶けたベルトが付着しています。
アルコールで清掃します。
こちらは酷い状況ですので、洗面所に持ち込んでオレンジクリーナーで清掃します。
新しいベルトを掛けて組み立てます。径73-75ｍｍです。
早送り巻き戻し用のアイドラーゴムを交換します。
再生用のアイドラーゴムを交換します。こちらはスリップしやすいので、粘性の高いシリコンゴム製のリングを使用します。
ピンチローラーとヘッドををクリーニングします。
新しいリールベルトを取り付けます。
本体に組み込んで動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーション後に録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録再状況を確認し、修理完了です。
