SONYの業務用DATデッキ、PCM-2700Aの修理依頼をいただきました。
症状は、「音が出ない」というものです。
テープ走行は正常ですが、やはり音が出ません。
カバーを開けてメカの様子を観察します。
左側のテープガイドが所定の位置の少し手前で止まっています。メカの固着です。
早速メカを降ろします。
底面の基板を取り外すと構成ユニットが現れます。
リールモーターユニット、キャプスタンモーター、ギヤ類を取り外します。
テープガイドを駆動するリングギヤです。可動部に塗られたグリスが固まっています。
CRCを吹き付け、加熱しながら慎重に固着を解消します。
リールの固着がないことと、ブレーキが効くことを確認します。
硬化変形しているベルトを交換します。
ヘッドの信号を処理するRFユニットを取り外します。４ヘッド機ですので２セット付いています。
基板上の電解コンデンサーを交換します。こちらは録音時の再生モニター用です。
こちらは「録音用・再生用」です。
カセットホルダーを取り外します。
標準のスポンジ製ヘッドクリーナーですが、変質してヘッドを侵食しますので撤去します。
硬化しているピンチローラーを交換します。
メカを本体に接続して音出しします。ノイズ交じりの音です。
テープパスを調整します。
録音状況も確認します。デジタルOUTの確認ができませんでしたが、これは対応不可となりました。
以上、修理完了です。
