YAMAHA製3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、KX-1000です。
以前当店で修理した機体ですが、「再生できなくなった」とご連絡をいただきました。メールでやりとりした結果、キャプスタンが回転していないということがわかり、機器をお送りいただきました。
動作確認を行います。再生を開始すると、リールは一瞬、ピクリとしますが、キャプスタンが回転していないためテープ走行できません。モーターの故障でしょうか?
しかし、何故かその直後、動作し始めました。
カバーを開けて、接触不良が起きていないか確認するため、メカのコネクタを揺すってみます。異状ありません。
ところが、少し様子が変です。再生を開始すると、速度が速い状態で音が出て、その後、すぐに正常な速度になります。テープの負荷が掛かると回転が遅くなるということは、やはりキャプスタンモーターに不具合が生じているようです。そうこうしているうちに、今度は速度が速くなり出しました。
メカを降ろしました。
背面のモータープレートを取り外します。
右が用意したマブチ製(オリジナルの長期保管品)EG-530AD-2B、12V2400rpmCCWです。大きさは異なりますが、問題はありません。
金属製のプーリーは換装が大変です。引き抜くときは、写真のようにプーラーを用いますが、差し込むときは加熱して圧入します。
交換後です。
交換前の不具合はすべて解消されました。
ここで一旦速度を調整し、半日ほど慣らし運転をします。
再調整します。
録再状況を確認し、修理完了です。