AKAIのフラッグシップモデル、GX-93の修理依頼をいただきました。この20年ほどは保管状態にあった機器です。
トレイ開閉やテープ走行に不具合を抱えているということです。
電源をONにすると「ギー」という音と共にトレイが開きます。
カバーを開けてメカを取り出します。
ホルダーと化粧パネルを取り外します。
ホルダーに内蔵のスプリングがへたっています。
脱着して加熱整形します。
これで機能復旧しました。
メカはやや固着して動きが緩慢です。
分解して古いグリスを拭き取り、新たにグリスアップします。
硬化したピンチローラーを交換します。
左リールのブレーキパッドが剥がれそうです。また、表面が変質していて摩擦が大きくなっていますので、
パッドを張り替えました。
リール周りを分解します。
ゴムリングを交換します。
ゴムリングが面する箇所を脱脂します。
メカ背面の基板を取り外します。
40年経過したと思われるゴムベルトです。後ほど交換します。
先ほどのベルトが面していた箇所は、ゴムカスが付着していますので清掃を行います。
異音を発していたモーターです。
新しいモーターと交換します。
伸びたベルトを交換します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
キャプスタンのシャフトにグリスを処置し、新しいベルトを掛けます。
整備が完了しましたので本体に戻して動作テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。