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オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

XK-S9000

AIWA XK-S9000

投稿日:

AIWAのフラッグシップモデル、XK-S9000の修理依頼をいただきました。

2年ほど前に他店で修理したものの、ほどなくして動作不良となったということです。

トレイが開かず、テープが閉じ込められています。

カバーを開けます。通常は、メカ下部の黄色いカムギヤを指で回してやるとトレイが開くのですが、今回はなぜか開きません。トレイが開かないとリッドを外すことができず、メカを降ろすことができません。30分ほど、電源を入れたり切ったり格闘しているうちに、ようやく開きました。原因は後ほど。

底板を取り外してヘッドの配線を切り離します。

メカを降ろしました。カセットホルダーを取り外します。

メカ底部に取り付けられているAMTSユニットを切り離します。

AMTSメカを分解する前に、カムとピンの位置を確認します。

カムギヤを取り外し、

ベルトを交換します。

メカ背面のプレートを取り外します。

ベルトは2年前の修理時に交換されたものと思われ、状態は悪くはありませんでしたが、サイズが少し緩くスリップしていたようです。この機種は、フライホイールの回転を利用してメカを駆動しますので、このベルトがスリップすると上手く作動しません。そのため、トレイが開かなかったものと思われます。

キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けます。内径73mmと80mmです。

アイドラーの交換を行います。支障となるパーツを分解します。これは再生専用のアイドラーです。

ゴムリングを交換します。

こちらにも早送り巻き戻し用のアイドラーがありますので、取り外し、

ゴムリングを交換します。

リールベルトを交換します。

ピンチローラーは弾力があり再利用可能です。専用クリーナーで清掃します。

カセットホルダーを組み付けます。メカのシステムが複雑なため、少しコツが必要です。

カムギヤを指で回して、

トレイが正常に開閉することを確認します。

本体にメカを組み込み、走行状態を確認します。

315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。

ヘッドアジマスの調整を行います。

左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしてバランス調整を行います。

複数のテープで録音再生状況を確認し、完成です。

-XK-S9000
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